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アリスンのTPUチューブ②(2/29追記)

とりあえず全数チェックが終わりました。
「0.5barほどエアを充填して水につけてチューブを左右から絞って」「バルブ径の計測」「ポンヘッド装着の確認」
を60個チェックしてトラブルはありませんでした。
水が冷たい・・・。
そういえばこの時期のパンク修理は地獄だったのを久々に思い出しました。
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バルブ径は先端・真ん中・根本の3か所計測して一番太い部分は先端で最大値6.18mmほどでAve.は6.11mm。
(この最大値は製造過程で発生するバリ部分の値で、実際の円柱部は6.13mmほど)
巷ではバルブホール寸法が小さめのホイールと相性が悪い場合があるらしい。
一例でシマノが挙げられるらしいらしいが会社にはいっぱいホイールがあるので最新のWH-RS710-C32やWH-RS770-TLと数値が大き目のバルブでテストしてみました。
確かに差し込み直後は引っ掛かりはありましたが、少し力を加えたら通り始めてその後はスルスルと抵抗感なく貫通したので問題はなさそうです。
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バルブ長は本国表記は60mmだが、トラブルの起きやすい根元をかなりしっかり補強しているため実際バルブホールに収まる部分は56mmほど。
よって日本国内では55mm表記で販売します。
(75mmタイプも作ってもらうことになりました)
重量も37g(実測で±7%といったところ)とTPUチューブとしては一般的なスペック。
チューブの継ぎ目はバルブから約125mmの位置。

エアの充填も入りにくいということは一切ありませんでした。
バルブの掴みも手近にあるド定番のトピークの純正ヘッドとヒラメのポンプヘッドでチェックしましたが全く問題なし。
ただし浅く差し込むヘッドタイプ(試したのはジーヨ:JIYOというマニア?向けブランド)とはちょっと相性が悪いような感触です。
ロックするレバーがいつもより硬かったです。

ただし、バルブが樹脂製で柔らかいので抜き差しの際に少し注意が必要です。
通勤号に装着したバルブは何も考えずに雑に何回も抜き差ししていたようで、状態を確認するためにホイールから外すと少し曲がっていました。
(位置的にリム内で曲がっていましたので、外してみて初めて気が付きました)
最初は何かしらの要因で走行中にバルブに負荷がかかり曲がったのか?と考察していましたが、曲がっていた方向が進行方向ではなくホイールに対して
左に曲がっていたのでポンプの抜き差しが原因で間違いないでしょう。

チェックが終わった個体を数十個ほどショップスタッフやショップの常連さんにテストしていただきました。
皆さん(クリンチャーユーザー)がよく言われるのが「乗り心地が良くなった」。
具体的な話では同じ気圧でも0.5~1bar柔らかく感じるという話ももらえました。
次点で「走りが軽くなった」と大好評でした。
これは初展示した際にもあるショップ店長から言われたことですがアリスンのTPUチューブは触った時点で他社と比べて生地が柔らかめらしいです。
TPU素材は多種多様らしく硬度もゴムに近いタイプから硬質プラスチックい近いタイプと幅が広く、複数のTPUチューブを使ったユーザーさんに聞くと
メーカーで乗り心地に違いがあるらしいです。

私も通勤号を乗り心地は良くないアリスン+チューブ厚0.9mmのブチルチューブからTPUチューブに交換して感じたのはテストしてくださった皆さんと同じ
「乗り心地が良くなった」でした。
サイクリング用ロードバイクは全てチューブラー(全てヴェロフレックス)なので通勤号とのギャップが非常に大きくてツラかったですが大分楽になりました。
が、感覚的なことなのでイマイチ自信が持てなかったのですが間違ってはいなかったようです。
ちなみに「走りが軽くなった」については通勤路がド平坦で街中でスピードも出せないので良くわかりません。

逆に他社TPUチューブユーザーで乗り心地が悪くてツライという話も聞いたことがあります。
(ざっと調べた感じTPUはブチルの2倍の硬度らしい・・・)
これについては先ほどのメーカーの違いとタイヤとの相性があるのかなと考えています。
コ〇サやア〇リストなどのしなやかなタイヤと組み合わせるとTPU素材の硬さが感じやすいのかなと。
一方でコンチ〇ンタルなどの硬いタイヤとの組み合わせは元々タイヤが硬いのでTPU素材が表に感じにくいのかなと現時点では考えています。

アリスンのTPUチューブは厚みが0.22mm。
スタンダードチューブが0.90mm(スーパーライトチューブは0.65mm)なので比較するとTPUチューブは約75%薄くなっています。
=それだけエアボリュームが増えるので疑似チューブレスと言えなくもない?
もちろん素材元々の硬度の違い(ざっと調べた感じTPUはブチルの2倍の硬度らしい・・・)や圧を上げた変形後の状態など考慮していない点はいくつもあり、性能はチューブレスレディーが上でしょう。
しかしチューブレスレディーはタイヤ価格が高い、シーラントの定期的な入れ替えと固形物の清掃・飛び散った際の除去が非常に面倒といった点が個人的に気になるとろ・・・。
一方でアリスンのTPUチューブは価格は最終調整中ですが巷で見かける超軽量チューブよりはもちろんTPUチューブ界隈でもダントツの低価格を実現できそうです。
(さすがにアリババや密林の製品にはどうあがいても勝てませんが・・・)
ならば、コストを抑えメンテナンス性と走行性能をバランスよく両立できるTPUチューブの方がおススメしやすいと個人的に思っている今日この頃。
とあるショップで聞いた話ではチューブレスレディーでシーラント剤(30ml弱)の代わりにTPUチューブを入れて走るオーナーさんも見かけるようになってきたらしいです。

チューブの継ぎ目部分も圧を上げてもその部分だけ凹んでいることはないので良いとの話もいただけました。
勝手にライバル視している某TPUチューブは装着直後だとチューブの継ぎ目部分が追いかけきれずにタイヤが凹んでいるらしいです。
特に走行時に違和感はないし、数日おけば馴染んで無くなるらしいですが精神的には最初から無い方が良いねとのこと。

ただ懸念として指摘を受けたのがナローリムには装着が少々難しいらしいです。
対応サイズが700x25C-28Cなのでチューブ径が少し大き目で噛みこみやすいらしいです。
タイヤが25C表記でも、ナローリムに装着すると実測幅が23mmや24mmになることはあるのでしょうがないですね。
まぁ、ディスクブレーキ専用なので中々に特殊な組み合わせになりそうですが・・・。
ちなみにリム内幅15mmのシルバーレーシング3(自己責任でリムブレーキで使っています)に装着した際は問題ありませんでしので、相性があるようです~。
ていうかブチルチューブよりも表面の摩擦が少ないのでスルスルッと楽に装着できました。
また、バルブの保護とガタツキ防止のための保護シールが付属していないので「作って~~~」とお願いしております。

またチューブが比較的太めなので組み合わせるタイヤによってはチューブにシワが入る可能性があるのかな~?との指摘ももらいました。
会社で試乗車含めて10本ほどほんの少し空気を入れて丸みを持たせてから装着しましたが特にシワは出来ていなかったです。
ちなみについ最近異業種のタイヤのプロ曰く「一度空気圧をしっかり上げて空気を抜いて、もう一度空気を入れるとシワがある程度なくなる」らしいです。



<補足>
アリスンのTPUチューブには見慣れないマークが印字されています。
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まぁ「合格」の表記なので意味していることは理解できますが、詳細は分からないので聞いてみました。
検品項目は以下とのこと。
①厚み
②エアを抜いた状態での幅と長さ
③重量
④エア漏れ
⑤目視での検品
⑥バルブと継ぎ目チェック
絶対の品質を保証できるわけではありませんが精度が向上しているのは間違いないので安心です。

<2/21追記>
価格が決まりまして税込定価¥1430(税抜き¥1300)です。
バルブラインナップは55mmと75mmの2種類。
納期は夏前を予定していますが、最終的な細かいアップデートも含めて納期短縮も交渉中です。
更にはより安心して使ってもらえるようにアリスン側でも検品はしていますが、入荷したら服部で全数検品を行いダブルチェック後に出荷します。
(品質に絶対の自信が持てるまで行う予定です)
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<2/29追記>
出張先でパナレーサーのワンタッチポンプヘッドを試せる機会がありましたので使用してみました。
特に問題なく差し込むことができました。

by hattorisports4 | 2024-04-26 11:20 | 平ぱ~兄さん日記
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