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2026新型モデル第一弾:レイブ SLR ID2


レイブ SLR ID2
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グラベルレースは、静かに加速している。

数年前まで舗装路の延長線上と見なされていたグラベル競技は今や独自の進化を遂げる真のレーシングカテゴリーへと変貌を遂げた。

求められるのは、単なる耐久性でも、多用途性でもない。
「速さ」と「軽さ」を極限まで研ぎ澄ましながら、過酷な環境に適応できる設計思想。

Rave SLR─確かに優れたバイクだった。だが今、アスリートが求める次元はさらにその先にある。
未来の競技環境を想定した大径クリアランス、グラベル専用設計のドライブトレイン構造、そしてカスタマイゼーション可能な多段階価格展開。それらすべてを内包した新世代グラベル・レーシング・プラットフォームが求められていた。

その期待に応えるために開発されたのが、「Rave SLR ID2」。
"ID2"、すなわちセカンド・シリーズを意味するこの称号は、単なる後継ではなく、進化の証そのものだ。


空気を制する者が、グラベルを制す
Rave SLR ID2の開発には、CFD(数値流体力学)と風洞試験を融合させた緻密なエアロダイナミクス解析が採用された。数十億もの数式が解かれ、数千のメッシュセルを通じて最適化されたフレームは、従来比で8.9%の空気抵抗削減を実現。パワー平均350Wのライダーが70kmを走行した場合、約54秒ものタイム短縮を可能にする。そのダウンチューブ形状は、ウォーターボトルを巧みに空気の流れから隠し、まさに理にかなったフォルムとなっている。また専用開発されたエアロボトルケージ・ボトルを採用すればエアロフォルムはより完璧なものへと昇華する。


最大52mmのタイヤクリアランスがもたらす走破力とスピードの両立
従来、スピードにおいては細身のタイヤが最適解とされてきたが現代グラベルレースでは転がり抵抗と快適性のバランスがパフォーマンスを左右する。Rave SLR ID2は最大52mmのタイヤ幅に対応し、路面からの振動を吸収しながらエネルギーロスを最小限に抑える設計となっている。荒れた未舗装路やマッドコンディションでも、最大限のグリップと推進力を発揮できるのだ。


“あえて付けない”という選択──フロントディレイラーを排した理由

構造とジオメトリーの観点から見れば、短いリアトライアングルが登坂時の俊敏な反応性を生み出す。

しかし、そこにフロントディレイラーが存在してしまえばチェーンの跳ねや泥詰まり整備の煩雑さがライダーを蝕むことになる。

だからこそ、ディレイラーを取り払った。軽量化とエアロダイナミクス向上を一挙に実現し、ライディングの妨げとなる要素をすべて排除した。
代わりに、最大52Tまで対応するカセットをセットアップ可能とすることで、ワイドレンジな1x構成でも登坂から高速巡航まで一台でカバーするギア比を確保。

それは、機能のための“引き算”。

そして、勝利のための“決断”。


ハンドリング性能を突き詰めたジオメトリーと剛性設計
短く設計されたリアトライアングルとカーボン補強によって11.78%向上したねじり剛性は、登坂時のレスポンスを劇的に高める。さらに、長いリーチと低めのスタックは、空力性能を損なわずに安定したライディングポジションを提供。カーボン一体型ハンドル:Fバーのダブルセクションジオメトリーにより、高速でも安心してバイクを操ることが可能だ。


3種の高機能カーボンとサイズ別最適レイアップ
使用されるカーボンは特性が異なる3種を採用。Wilier独自の「バランス設計」手法により、フレームサイズごとにラミネート構造を再設計。XSからXXLすべてにおいて等価な構造特性(剛性・ダンピング)を保証し、サイズ依存性を排除。軽量化と高耐久性を両立しながら990gのフレーム重量を実現している。


スペックとディテールの融合美

・990gの軽量エアロフレーム

・7.90kg:RED XPLR 1x13/GRAFF AERO 48

・最大52T対応のチェーンリング

・完全内装ケーブル(Fバー仕様の場合)
・UDHドロップアウトを採用し、汎用性と整備性を確保
・最大52Tチェーンリングまで対応、1xドライブトレインでの高回転高速域もカバー
・トップチューブおよびダウンチューブにはM5ボルトマウント搭載、機材配置の自由度を拡張
などレースユースに必要なスペックはすべて網羅。XSからXXLまでの6サイズ展開で、あらゆるライダーに対応する。

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カラーラインナップは4つ

「グロスカーボン」

フレームそのものが持つ幾何学的カーボンレイアップのパターンを隠すのではなく“魅せる”。

透明度の高いクリア塗装により見る角度や光の加減で繊維の織り目が浮かび上がる様はまさに構造美の演出。

すべての層が精密に配置されたカーボンの技術力を、ライダーだけでなく観衆にも体現させます。

そこに施されるのが、ヘアライン加工のように輝くポリッシュカラーロゴ。

控えめでありながら精密機械のような精悍さと洗練を漂わせバイク全体に高い完成度を与えています。

このカラーリングは、まさに“走るモノリス”。テクノロジーとアートが融合した存在であり、競技機材であると同時に、所有することそのものが誇りとなる一台です。

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「マットグリーン」

マットグリーンは、Rave SLR ID2の持つ“競技的野生性”を体現するカラーリング。一般的なグリーンではなく、あえてマット仕上げにすることで、過酷な環境を前提に戦うバイクであることを無言で物語っています。
未舗装路のほこり、泥、草木の擦れ跡——それらがこの色に乗ると、まるで自然と同化するような一体感が生まれる。

塗装は反射を抑えたマット仕上げで柔らかな質感を持ちながらも、芯の通った“強さ”を纏う仕上がりに。視覚的な重厚感と、競技車両としての機能美が、高次元で共存しています。

無骨であることが、美しい。
このカラーは、勝ちを狙う者のメンタリティをそのまま映し出す、“選ばれたライダーの象徴”です。

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「マットクリーム」。

目標コースを走り抜けたあとにフレームへと舞い上がる泥、ダスト、そして水飛沫──これらがコントラストとして浮かび上がり、その一滴の泥さえも美しく魅せるまるで“走りの証”が描かれたキャンバスのようにバイクを仕立てます。

どんなに過酷なルートでも、戻ってきたときに愛車を見て思うはずです。
“この汚れは、今日の勝負の勲章だ”と。


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「グロスパープル」

グロスパープルは、クラシックと革新が出会う色。深みあるブルーベースに紫のニュアンスを重ねることで、ただ美しいだけでなく、独自の存在感と気品を生み出します。単なる派手さではなく、**ライディング中に光の角度で表情を変える“動的な色”**なのがこのカラーの真骨頂。

このカラーは特に、Rave SLR ID2のカーボンの立体造形やフォルムの陰影を強調するために計算されたグロスコートが採用されており、静止状態でもスピード感と張り詰めた緊張感を漂わせる仕上がりに。精密機械のようでありながら、どこかアーティスティック──そんな曖昧で多層的な美がこのグロスパープルには込められています。

そして忘れてはならないのが、このカラーを愛する人々の“眼”。自己表現の延長としてバイクを選ぶサイクリストたちは、このパープルに“自分だけの個性”を重ね、競技とは別の軸での所有喜びを追求します。

レース後の反射光すらも、誇らしく感じさせる──それがグロスパープルの魔力。

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国内定価
フレームセット(アルミ製専用ステム:ステンマS2付属) ¥650,000(¥715,000、受注発注)

GRX Di2/Miche GRAFF Allroad完成車 ¥950,000(¥1,045,000、予定、受注発注)

GRX Di2/Miche GRAFF XL完成車 税抜¥900,000(¥990,000、予定、受注発注)


〈専用エアロボトルケージ、専用エアロボトル〉
本モデルにはエアロ効果を最大限発揮するため専用のエアロボトルケージ・エアロボトルが開発されております。
デリバリーは年末を予定しており続報が入り次第記事にします。













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